チェックメイト
彼女はそれをチェスのゲームのようだと言った。理由がわからないまま駒の動きを見ている、とも。
言い得て妙で、これはさもゲームのようである。
駒は自らの意志で動いているのではない。
彼女はそれを冷静に眺めている、と言った。
確かに、世間は余りに駒の動きに一喜一憂している。
彼女の話に続き、今度は私の持論を話した。
この世の事象は全て陰と陽で成り立っているが、その世界を表面的にしか理解していなければ、こちらが陰であちらが陽、といった見方しかできないかもしれない。
もちろん今起きていることはどちらが陰でどちらが陽などという単純なことではなく、そもそも陰陽論はそう薄っぺらいものでもない。
事の行方は、大どんでん返しが起きた上に、更に大どんでん返しが起こるだろう、と予測してみる。それは数年前から、数十年前から、いや数百年前から示唆されているように。
これらは全て地で起きていることであり、そしてそれは天のエネルギーによるものだ。陰陽論で説くならばそのようなアスペクトで見るべきだろう。
大どんでん返しが何度も繰り返された挙句、この地に既存の政府や金融や通貨の崩壊といったことが起き、全く新しい世界になったとしたら?
全ては天から供給されるもの、天の采配によるもので、そしてそれは今どきの言葉を借りて言えば、風の時代、ということになるのだろうと思う。
現在は時代の移行期で混乱と混沌に満ちた状態であり、大きな痛みを伴う時。抜け切った先にこそ風の時代がやって来る。
今だけを見れば目眩しにあう。
目を開いて、未来はどう見える?
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